割れた卵〜卵が割れて万象が生まれる話
昔は太陽はなく、月と星だけ。人間もおらず、今よりずっと大きい獣や鳥達がいた。
ある日、エミューのディネリンと鶴のブレルガーが大平原を散歩していて喧嘩になり、ブレルガーはディネリンの卵を力一杯天に投げ上げた。卵は薪の山の上で壊れ、明るい炎を上げて燃えて、世界が照らされた。
天にすむ善神はこれを見て、毎日焚火をすることにした。夜の間に家来の霊達に薪を積ませ、燃やす合図に明けの明星を使いに出す。
しかし、人間は眠っていて合図に気付かないので、別の合図をすることにする。オンドリのグールグルガーガーの高笑いを聞いてこれに決め、お前が合図しなければ私は火を付けないよ、と言う。
子供はオンドリの声を真似てはならない。そんな子には糸切り歯の上にまた歯が生える。何故なら、真似をするとオンドリが鳴かなくなり、朝が来なくなることを神様がよく知っているからである。
参考文献
『世界むかし話集〈上、下〉』 山室静編著 社会思想社
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